人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

完全教祖マニュアルを読んだ

とある後輩が,ゆるふわだったサークルをカルト教団と化させ,体育会系に染め上げた.

その人が以前読んでいた本が完全教祖マニュアル.とても気になったので読んでみた.

*あまりきちんとまとめないので,本を読んで欲しい.とても面白かった.

 

思ったよりまともだった

よくある怪しい自己啓発本ではなく,キリスト教イスラム教といった古くからある宗教を含めた多くの宗教を分析し,その特徴や成功のためのエッセンスを抽出したものだった.特に,宗教の耐えきれない怪しさは,実は合理的な活動であることを丁寧に説明していた点はとても良かった.

また,新興宗教に対するイメージの悪さを承知した上で,現実的に教祖になるための方法論を記述していた.

まず教義の作り方を説明し,信者を集めるための布教の方法を説明してから信者を保持するための教義の更新など,順序立てて章が組まれていてわかりやすかった.

良かったもの

まず,似非科学らしい印象があったのだけど,公理をおいて,その前提の元展開される思想は至極論理的なので,前提条件に納得できるかどうかをクリアすれば良い,という説明があった.また,教義を考えるにあたって,前提と問題点を考えてインテリに投げれば面白がって間を補完してくれるらしい.

基本的には信者がハッピーになることが最優先で,ツボを売っても寄付を募っても信者がハッピーになれば良いらしい.

偶像崇拝はものがあった方が信仰しやすいとか,断食などのルールも特別感の演出に使えるなど,合理的な理由があるらしい.