人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

寿司を掴め! ~Sushi Satisfaction~

 所用で大阪に行きました。大阪と言えば…そう、寿司ですね*1。寿司を食べに行きました。

 大阪は梅田方面に中央市場があり、漁港で取れた魚達が市場に集まり、そこから色んな所に運ばれて行きます。実際、近くの天満橋商店街を歩いたところ寿司屋が大量にあり、寿司屋を見つける度に「寿司!」と絶叫していたのですが、その日絶叫した回数は三桁に達したのではないかと思われます。チェーン店から海鮮居酒屋まで様々な魚介類を扱う店があり、その多くが寿司を扱っていました。

 そして、漁港近くの街の醍醐味と言えば市場の中にあるお店です。以前福岡の博多~天神周辺に行った際には朝早起きして長浜海鮮市場に行って刺身・天ぷら・煮つけのセットを食べたりしました。とにかく海老天が大きくて身も詰まっていた記憶があります*2玄界灘に生きるエビはデカい…

 今回はえんどう寿司というお店にいきました。ここは100年以上続く老舗のお店で、強くシャリを握るのではなく口の中でほどけるようなつかみ寿司が提供されています。

www.endo-sushi.com

 メニューは上まぜといって5巻のお任せ握りを提供されるもので、これを時間もしくはお腹がいっぱいになるまで繰り返します。

 まずは赤だしと共に一周目。うなぎもありますし、ウニもあります。実際に口に運んでみると、シャリがほどける…そしてネタが柔らかく溶ける。驚いたのが、ネタは冷たくシャリは温かくみたいな調整をされているのですが、シャリが少し温かいものと比較的冷たいものがあり、ネタによって調整されています。以前東京で食べたウニも温度調節の為に素手で受け取ってそのまま食べるように指示されたことがありましたが、温度はとても大事です。写真を撮ってすぐさま口に運びましたし、その点で5巻より多いと温度が変わってしまうのではないかと思います。

 醤油は刷毛で塗ります。大阪では刷毛スタイルも一般的とのことですが、私は関東の人間なので、Culture Shockでした。極上。

 二周目、三周目…と続き、結局四周目でお腹がいっぱいになってしまい、同時に時間も45分のリミットに近づいていた為満足して終了しました。とても驚いたのは、赤貝やホタテは心なしかシャリが甘く、タコやイカはシャリがもっちりしていて、触感や磯臭さに合わせて米の質感を変えてるようです。同行者ともその質が変化していることを確認しあいながら食べたので、恐らく正しいはずです*3

 寿司20貫+赤だしで6000円、一貫辺り240円程度と考えると圧倒的に安い…ッ!実は五周がMAXのようで、実際時間的もそれが限度のようですが、最後の5貫が何かとても気になります。しかし、味わって食べられないのも辛く、既に満足していたのでこれで良しとします。予約せずに9時頃にお店の前についたのですが、三連休ということもあったのか100分程度待ちました。そのおかげで空腹も進んだはずなのですが、よく考えたら前日にAliceカフェで爆食いしていたのでそれが無ければ最後まで行けていた気もします。

 総評、ネタとシャリのバランスで120点です。画廊伝の村瀬豪三は皆さんご存じだと思いますが、彼は複数の道場に通い、一つ一つが20点でも6科目で120点が取れると言い、実際に道場破りとして現れます。東京で食べた高い寿司はもちろんシャリにもこだわりが感じられましたが、それ以上にネタの強さを感じます。しかしえんどう寿司はネタとシャリのHarmony、調和を大事にしているように感じました。ネタの強いお店は70+30で100点のところが、50+50に調和ポイントが20点追加されて120点になるわけですね。俺たちが求めているのはネタではなく寿司なのか!と寿司におけるコペルニクス転回、いや、忘れていた常識を再認識させられたのです。旨いネタはあれど、寿司全体として完成されたつかみ寿司は恐らく今まで食べた中で一番旨い寿司なのではないでしょうか。シャリの奥深さを知り、これからも寿司の探求は続いていきますが、ひとまず今回のところは満足したぜ…

*1:〇〇(任意の言葉)と言えば、寿司の為

*2:思わず、「デカすぎんだろ…」と呟いてしまいました

*3:もしくは二人とも狂っている可能性も否定できません