人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

近況:multi threading

 気づいたら4月になっていました。春ですね。

 昨年は一年間人形を作っていたら人間性が無くなってきたので、今年は人間性を取り戻そうと思い、外出、人間との交流、労働など人間らしい活動をしていました*1。…と思っていたら人間性を失っていました。

 昨年一年間Project Beyond Eveとして人間を超越するぞ!と思い等身大のトルソーを作りカメラを繋いでヘッドマウントディスプレイを被りトルソーに憑依するシステムを作っていましたが、これを展示としてどこかに出したいと思い、デザインフェスタギャラリーの申し込みをしました。12月の予定なのでまだ先ですが、3ヶ月くらい前になったらDMの配布や告知ツイートなど進めていきますので、是非よろしくお願いします。

 

godiva-frappuccino.hatenablog.com

 個展をやるにあたって、作品は一つでも成り立つということで一体で行こうと思いましたが、流石に寂しいかなというかそれに見合うだけのバックグラウンドを用意できないと思い、三体つれていくことにしました。一体でも制作過程で80pくらいの冊子になる程度の書くべきものはあったのですが、コンセプトを雄弁に語りすぎる展示はつまらないかな、と。何も説明できない展示はかなり解釈が難しくて大変ですが、それでも三体くらいはいた方が説明なしに解釈しやすいのかなと思いました。

 一体目のトルソーについては、造形は一通り終わりましたが内部の機構を再検討したり、プログラムの改修やカメラ周りのハードの再選定プロセスを挟むので9月くらいからはその辺りの詰めに時間を使わないといけないな~と思っています。リミット9月であと二体人形を作ると考えると結構時間がないですね…

 二体目、100cm程のオーソドックスな人形を作ろうとしています。中に仕込む機構はここには書きませんが、シンプルなものでコンセプトに合わせたものを作成しています。この子の造形を進めていこうと思った矢先、人形教室に通うことになりました。というのも、造形物の展示が初めてなもので展示の経験のある知り合いに話を伺っていたのですが、折角なので教室見学にと誘われて見学(といいつつ4時間がっつり作業)をさせていただいて、造形は教わった方が良いと感じたのがきっかけです。月2回通う形で一か月程経過しましたが、胴体と片脚の造形が見違えるように良くなって、あと寿命が縮まった感じがします。

 三体目、これはレリーフに近いものを作ろうとしていて、機構的に少し複雑なものを考えているのでいよいよ9月に間に合うのか疑問ですね。命を燃やそうと思います。

 そんなこんなで今年も人形を作りながら人間性を失っていく日々…と思っていたのですが、今年初めに何か面白いことでもやりましょうということで別の企画が進んでいます。無生物がいきいきしていると嬉しいので、ぬいぐるみにいきいきと働いてもらいたいと思って4月末に参加するイベントでぬいぐるみにいきいきと働いてもらいます。これの準備としてちょっとしたシステム*2を作る必要があり、2ヶ月くらいずっと3Dモデリングやソフトウェアの実装などを進めていて、人形も作るしぬいぐるみにはたらいてもらうためのシステムも作るし、それはそれとして世を忍ぶ仮の姿でのお仕事も割と責任のある役割になりすべてが大変になってきました。

 ひとまず4月末のイベントが終わったら少しゆっくりしつつ三体目の子の設計・モデリング作業に着手していく予定なので今年はもう休める気がしませんが、為すべきことを為している時の苦しさは何も為していない苦しさより幾分マシなので消去法で為すべきことを為すしかないことに気づいたので、やっていきましょう。

 それはそれとしてお洒落して茶をしばいたり寿司を求めたりする会はやっていきたいので、進捗を生む息抜きとして人々を誘っていきたいですし、お誘いがあれば可能な限り行きます。人間らしさを失うと自らが眼球とキーボードに接続された手と痛む頭のみで構成される感覚になり、打鍵を繰り返していく内に指の筋肉を利用して骨と皮をたたきつけている自覚が生じるようになります。そしてカーテンを開けることもなく日々が過ぎていき、毎日12時間ほど机にしがみついてパソコンをカタカタしたり粘土を捏ねる生活が続いていきます。キエーッッ!!

 

*1:労働は非人間的活動という説もあります

*2:xyペンプロッタの変形判として、rΘペンプロッタとでも呼びましょうか、特殊な形状なのであまり類似した製品を見つけられませんでした