人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

そこに寿司があるから寿司を食べる

 寿司を求めて三千里、寿司を食べる人生の過程です。いいかい学生さん、いつでも寿司をな、いつでも寿司を食べられるようになる頃には脂っこいものを受け付けなくなるから若いうちに食べた方が良い。実際には温暖化や環境の変化の影響で生物多様性にも影響が出ている昨今において、食べられるものを食べられるうちに食べるというのは自分の肉体としても環境としても重要になりつつあるように感じます。食べる為に若い魚を無理に採らない、外来種を増やさないといった活動も最近はウォッチするようになり、かなり直接的に生物の保全の重要性を認識するようになりました。サステナブルな寿司。

 さて、皆さんは魚の市場に行ったことはありますでしょうか。私は以前博多と大阪の市場に行ったことがあります。といっても競りをやるような現場に部外者が立ち入るのは迷惑ですしそういった様子を見たわけではないのですが、漁獲された新鮮な魚を食べられるのが市場の良いところです。舌が肥えた人も多いため、下手な寿司は出せないのではないかと思います。

godiva-frappuccino.hatenablog.com

 というわけで、神戸の深江にある市場に行ってきました。ふさ鮨というテレビでも紹介されている有名店でして、気になっていってみました。神戸には三宮の更に西の方に市場があったのですが、深江は三宮から少し東に行った方面にある市場で、以外にも魚介系の店は少なく、カフェや地元の方が立ち寄るようなお菓子屋さんなどが目立つ印象でした。

tabelog.com

 9時オープンということでしたが10時前につき、丁度一組待ちくらいの状態で並びました。カウンターに通されてからはしばらく待つ必要があり、板前さんが一人でネタを切ったり握る様子を目の前で眺めながらお茶を啜っていました。ふさ鮨ではいくつかの握りのセットがあり、今回は特上握りセットを頼みました。

 でかぁぁぁあい!!説明不要!!!!!

 いくらがこぼれすぎて海苔が見えないのもそうですが、ブリやハマチ等のネタが大きく、食べやすくするためにネタもシャリも包丁で半分に切られています。実質2貫ずつ乗っているようなボリュームの一皿と貝汁です。食べてみると、シャリの甘さを強めに感じます。実際に板前さんに伺いましたが、シャリは結構甘めにつけているとのことで、シャリ単体で食べるお子さんもいるそうです。えんどう寿司でも感じましたが、江戸時代の昔の寿司の様にハイカロリーなシャリによって血糖値が上がって気絶してしまうのではないかと思いました。そしてネタもしっかりと歯ごたえがあり分厚く、強いシャリに負けない強さを持っていました。ガリも甘くつけており、ガリを食べ終えたところでお代わりが必要か聞かれたので折角なので食べました。ネタが無くてもお腹がいっぱいになる。前日の夜23時くらいまで寿司を食べていたのでその影響もありますが、後半はかなりお腹いっぱい…といった感じで、緩やかに血糖値を上げつつ食べる必要も感じました。

 店の中には常連さんも多く板前さんと会話している様子が聞こえたのですが、遠方から来られる方や宿の朝食を食べずに朝食として食べに来られる方もいる等、皆寿司への思いを感じました。寿司に生きる人々を感じることができて嬉しかったです。

 因みに全日の夜は三宮の夜の街でキャッチを避けながら寿司やを探して知らない寿司屋に入りました。22時過ぎということで寿司屋も結構閉まりつつあったのですが、貯蓄との相談で食べられそうなカウンターの店に入りました。

tabelog.com

 とりあえずの初手獺祭、最近日本酒の味が分かってきたのですが、味の強い酒ばかり頼まず寿司と衝突しないよう日本酒選びをすることも大切、と後から反省しました…

 お任せ握り8貫、小ぶりなシャリに巻き付くようなネタ、そして卵焼きが普段のものと異なる様相で興味深く感じました。なによこの海苔…ほとんど紐じゃない!!(マイクロビキニ寿司の源流の可能性があります)

 くらげポン酢や鰻肝串といった一風変わったメニューもあり、チェーンとの違いを感じました。個人的に気になった鮪の脳天(希少部位のツノトロですね)と、”あて”という文字が気になり、煮ガキのあてを頼みました。本当は寿司で頼もうとしたのですが煮ガキを頼んだらあてですね~と言われたので折角なので修正せずそのまま待ちました。あて、酒のつまみになるような調整として味濃いめに付けてあってワサビと合わせるとさらにおいしかったです。そして、メニューにもあったのですが芽ネギが乗っかっていたのが印象的でした。更にその前日寿司屋で芽ネギを見つけて珍しいと思い食べていたのですが、良いチョイスだと感じました。因みに、たまに見かけるバイ貝のうま煮が気になったのですが売り切れということで、どこかで食べてみたいと思います。興味を引く少し珍しいメニューを見ると盛り上がりますね。この時点で酒のちゃんぽんで5,6杯飲んでいたのでとりあえず面白ければ頼んでも良いかなという気持ちになっていました。

 夜も深くなってきており、それはそうと2日間ひたすら作業しておりスケジュールのリカバリの為に夜もホテルで作業…みたいな感じで体力的な限界を感じていたので、最後に温かいものを飲んで〆ることにしました。のどぐろのあら汁等があって気になったのですが、すっぽんの土瓶蒸しがありました。土瓶で蒸す…!?

 土瓶が出てきました。その場で食べ方を調べたのですが、上に乗っかっている御猪口にお汁を注いで香りを楽しみながら飲む、そしてカボス等が添えられている場合は味偏して暫く楽しむ、という感じで飲み進めるようです。中にあるすっぽんの肉は出汁用の場合もあるようですがこちらでは肉も食べて良いとのことで、ちまちま食べていたら途中で店員さんからも食べていいですよと言っていただきました。

 出汁は不思議な味、強めの味わいはあるのですが温かくて優しさもある、後コラーゲンを感じる風味でした。肉は少し硬い身の部分と皮に近いプルプルの肉とあり、出汁が本丸ではありますがそちらもおいしくいただきました。最後に土瓶を傷つけないよう蓋を戻し、お会計。そういえば、メイドインアビスではボンドルドが子供の必要最低限の肉体のみを箱詰めして上昇負荷を肩代わりさせる装置としていましたが、土瓶蒸しも必要な部位のみを土瓶に入れて蒸して、御猪口に注がれる出汁を楽しむのは親子丼の概念のような度し難さを感じました。料理とはそういうものですが、感謝の気持ちは忘れずにいたいですね…

 

 というわけで、寿司を食べてきました。様々なネタやシャリ、ツマ等へのこだわりを感じたと共に、それらを守っていく人々にも思いをはせていました。人類、そして生物に感謝…