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【コミティア146体験記】初めてイベント出展者になりました!【寿司マイクロビキニ部活動報告】

コミティア初参加!&初イベント出展してきました!ということで、イベントに出るまでの流れや当日の雰囲気をまとめていこうと思います。なんだかんだ一週間たってしまったのですが、足の速いネタなので、まとめていきます(寿司だけに)

発端

知り合いで画集を出したい人がいて、その人は以前イベントに出展したことがあったのですが、折角なので皆で出てみたいという話をしていました。そして九月に会合が行われた場所は浅草にある江戸前寿司「野八」、とても美味しく、毎日ブログ更新もされているとても良い寿司屋でした。

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 そして、マイクロ寿司と呼ばれる小さい寿司を提供されています。今だからわかりますが、これを握るには高い技術を要します。皆で出展しようという構想のみで会合を迎えたのですが、議題は僕が出す本の話になりました。

 元々小説を書きたかったことと、当時丁度一年を迎えた寿司マイクロビキニ部の活動から、寿司を小説のネタにすることにしました(寿司だけに)。丁度マイクロビキニ寿司有識者の友人が集まっていた為、議論は白熱しました。僕が夢野久作を好きだったこともあり、信頼できない語り手による語りの方式をとり、その中に三つの短編を仕込む話の構成になりました。ネタバレ(ネタだけに)を避けますが、オチまで含めて結構議論しました。中にはマイクロビキニ寿司だけではなく、アノマロカリス寿司や僕が一生こすり続けている耳なし芳一の話も収録されています。丹精込めてネタを仕込みました。

 そのほかについてはその時点では決まらず、サークル名も寿司みたいな名前になり、いったん寿司合同誌みたいな流れになりました。その後、そもそも合同誌を出すのか?という話になり、結局寿司小説、寿司画集、寿司写真集、寿司ではない画集(寿司ではない画集?)の四冊が出ることになりました。

本を作る

 本を出したことがないので、本を出すための方法を知る為に、本を出すまでの流れを調べました。小説の場合は、まず本文を書く→目次や挿絵を考える→本のページに当てはまる用作っていく→表紙、裏表紙を作る→製本所に依頼する、という流れを踏むようでした。本文を紙媒体になるようページ数をつけたり目次を作成する手順はシメケンプリントさんのサービスに助けられました。本文をコピペして、書籍サイズや右綴じ左綴じなどの設定をすると、PDFファイルになります。目次についても目次文を入力するとPDFを出力してくれます。フォーマットにこだわるのであればこの辺りもLaTeXを用いたり任意の組版ソフトで頑張るところですが、寿司は速度が大事なので、この辺りは既存サービスの助けを借りました。

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 納品については、会場に直接届く方法と自宅などの指定住所に送る方法がありましたが、事前に内容の確認をしたかったこともあり、住所を指定して早めにみることにしました。4営業日での製本で12/3のコミティアの前の平日に届いてほしかったので、11/20の月曜日を期限として、本の制作にとりかかりました。上記の製本の流れについては、11/13までに確認を終え、直前に焦らないようにしていました。

 本文の執筆ですが、気づいたら11月になっていたことや平日にまともに文章を書く体力がないこともあり、実労働日としては4日で15000字くらい書きました。とはいっても史実からの引用や著作権フリーの小説からの引用部分もあったので、実際にはゼロから書き出したわけではなく、天からの啓示と引用を混ぜてその分量にいたりました。ちょっと焦ったのは、ページ数の参考にしていた情報が倍近くずれており、60pで製本するつもりが書いている途中で本文24pに収まることに気づいたことなどがあります。

 こんな感じで目次を含めた各章のPDFファイルを準備します。章ごとに左右の開始ページが異なり、右寄せ左寄せが変わる為、各章が書けたらページ数を数えてどちらから始まるか確認したうえで各章データにしていきます。これができたら、結合した後にページ数を載せていきます。

 ここまでできたら、あとは表紙を描きます。とはいっても僕は絵が描けないので、AIで寿司みたいな絵を出力します。一応ガイドラインを確認したうえで、AI出力物が作品のメインとはならないことを確認しています。また、本文についても壁打ち程度に利用しましたが、そのアイデアを膨らませて本文を書いており、出力をそのまま使用していないことは明記します。

 寿司画像ガチャです。候補になる画像のみ保存しましたが、ひたすら生成される寿司屋の大将みたいなおじいさんを見ていたら気が狂いました。あと従量課金サービスで画像生成を行っていたので、気づいたら課金額が800円くらいになりました。

 画像データができたので、入稿しました。

 届きました、だれがこんな表紙の小説を買うんでしょうか。

コミティア当日へ…

 当日は9:30から設営がある為、9時過ぎにブースに到着しました。まるでテーマパークに来たみたいだぜ、テンションあがるなぁ。二人パイプ椅子に座れる最小限のスペースの中にブースを設置します。友人が先に会場に到着しており、一緒にブースに向かい、到着したところで什器を出していきます。この辺りの必要な什器の列挙や準備を進めてくれた友人たちに感謝…

 できました。寿司の波動を感じる為、設営段階で他の出展者さんが通り過ぎる度にこちらを見て「寿司…」と呟いていました。寿司のオフ会もしました。

 11時になると、拍手で会場が盛り上がります。僕は開場タイミングで居合わせたイベントは昔行ったコミケ以来なのですが、やっぱり始まりと終わりは拍手なのだなと思い、嬉しかったです。ブースには4人、そして椅子は2つ、ということで初手から本を買いに出かけていました。デザフェスの西全部使い切るような規模感だと6,7時間ひたすら早歩きをし続けて全ブースにローラーをかけていたのですが、最終的にコミティアは3,4時間で全ブース見ることができて安心しました。SF系の漫画への興味が比較的薄いこともありましたが、これでもコミティアはかなり規模が大きくなったと聞いて、それはそれでうれしかったです。僕は複数人で出ていましたが、個人参加だと回り切れないくらいに規模が大きくなってしまったんじゃ…という友人の老人みたいな思い出を聞いて、なるほどですな~と思いました。

 30分ほどしてブースに戻ったら、僕の本が売れていました。最初売れるところは見たかったなと思いつつ、近くのブースにローラーをかけたりしながらちょくちょく様子を見ていました。13時過ぎに4Fの方に移動していたのですが、戻った時に丁度表に出している本が売り切れかけていて焦って補充しました。寿司の本が売れていて驚きました。

 寿司の本が全体的に売れていたのですが、やはり寿司でテーマが統一されていたのが大きかったです。日本人は寿司が好きなので立ち止まってくれるんですね。画集は手に取りやすいし、写真集もインパクトがあります。小説はなんか怪しいおっさんが何かを手に持っています。タイトルに寿司って入ってるから寿司ですね。僕がブースにいた時に立ち寄ってくれたお姉さんが寿司写真集で爆笑した後に小説で更にツボに入って小説を買ってくれて、寿司で人を笑顔にできた実感がわいたときはとても嬉しく、仕事を辞めようと思いました。

 午前中からそれなりに売れていたのですが、やはり小説という媒体は中を読まなければ理解できない特性から、売り方に悩んでいました。僕はブースで「寿司の鳴き声、スシーッ!!」とか「こんにちはとコミティアって似てる…あっそこのお客さんコミティア~」とかやってたのですが、友人が機転を利かせて紙で作ったマイクロビキニを寿司に着せてくれました。これによって、ブースに立ち寄ってくださった方に、「この小説では寿司にマイクロビキニを着せています!」と瞬時に内容を伝えられたので、このおかげで興味を持ってくれた方もいました。やはり、一目でわかることは大切だと感じました。

 15:30くらいになると撤収作業が始まりましたが、うちのブースは15:50くらいまで粘って、その20分間でも何冊か売れました。嬉しかったですね。人に笑顔を届ける、これが仕事の本質じゃあないかと思いました。終わってから撤収作業を行い、みんなで打ち上げへと向かいました。

 名残惜しそうな寿司(マイクロビキニ寿司含)。

お金の話

 気になるのはお値段ですよね、ということで計算していきます。まず、印刷費について、勢いでA6冊子を30部刷りました、これが9300円程度です。そこから自分用に1部と見本誌を1部抜いて、28部が販売分です。結果、出展ブース内でトレードをした3部を除き、19部売れました。原価300円程度なので手に取りやすい価格やおつりも考慮して500円で価格設定していたのですが、500x19=9500円です。残りの6部は知り合いへの献本予定でもしお金をもらえば3000円になりますが、この辺りはいったん気にしないものとします。

 また、什器類は友人の私物や今後使用するとのことでお金を出していただいたのですが、ポスター代は一人3000円出しました。出展料は友人がコミティア関係者だったお陰で今回の1ブース分は無料になりました、感謝…

 合計を出していきますが、交通費等は居住地域の関係で運よく少額で済んだため、割愛します。まず、収入が9500円、支出は印刷費の9300円、ポスター代の3000円、打ち上げの4000円、決起会の11000円、購入品で約20000円、結果、37800円のマイナスです。高い寿司には気を付けましょう!