人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

大きい人形を作る

人形になるぞ!

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 ということで内部に機構を仕込んで憑依できる人形を作ろうとしているのですが、そこで有効になるのがサイズに基づく存在感だと思いました。ファンタジー世界では体が小さくなって森の中を駆け巡って虫に追いかけられたり、逆に大きくなって街を破壊したりいろんなシーンがありますが、これらはその動作が多様でかつフィードバックも多様だからだと思います。ボタンを押したらビームが出て地球が爆発する映像が流れる、くらいだと現実感なさそうです。というわけで、等身大の人間サイズの胸像を作っていきます。

 等身大である理由について、大まかなサイズ感として3mは怪物のようだし、逆に80cmは人間の身体としては小さすぎるか、赤子のようになってしまうし、といった話もあるのですが、機構の制約がかなり大きいです。小さすぎるとモータが入りません。

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 大きければモータのサイズと胴体の比でいえば余裕が少しできるのですが、より大きなトルク(パワー)が求められます。電力供給の面でも問題があるのですが、何より事故が怖いです。等身大サイズで首機構を作るにあたってはMG996Rというサーボモータの9.4kg/cmが二つで事足りるのですが、これを超えるといよいよ骨折や指の切断が怖くなってきます。ソフトウェア面でもいろいろ試行錯誤することを考慮すると、そのサイズでロボットアームの様な振り回す機構は作れたものではありません。そんな事情で等身大にしています。頭部の回転だけであれば、最悪頭部が落下するリスクはあれど、機構は表面に露出せず、可動域も小さいため、誤作動で急に動いた場合も衝突による影響は小さく済みます(そもそも極端に近づくことを考慮したデザインではありませんが)。

 そして、なにより大変だったのが粘土の量です。腰回りまでで80cm近くのサイズになりましたが、粘土10kg程度は使用したように思います。おなか周りを20cm分ひと巻きするのにラドール500gを5mm~10mm程度の厚みで伸ばして3~4袋は使っていました。そこからさらに骨格や脂肪、バストのふくらみを作ったり試行錯誤する中で更に粘土を盛り付けていたので、粘土を巻くだけで日々が過ぎ去っていきました。

 造形にあたっては、スカルプターのための美術解剖学という書籍を参考にしています。美術解剖学の書籍は図説てきなものは持っているものの、脂肪や骨格のつき方から表面にかけてのボリュームへのつながりを意識するにあたり、CGも絡めたスカルプティングの側面での説明がされているのが有難く感じました。このサイズになるとようやく体の仕組みを意識できるようになってきて、造形がむしろ楽しかった記憶があります。少しすらっとした滑らかな肉体にしたいので、写真の状態にやすりを強めにかけて、凸凹の面を整えていきます(粉まみれになるのでおっくうですね…)。

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 下地塗装をして、塗装は…いったん後回しになりそうですが、とりあえず今まで個人で使ったジェッソと同僚のジェッソを買ってきました。楽しみですね…