人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

人形の部品同士をつなぐためのインターフェース

人形になるぞ!

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 人形に機構を埋め込むにあたって、正確にパーツをはめ込み、かつ簡単に欠損しないような工夫を要するため、金属部品を埋め込む試みを行いました。

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 ここで、人形の外骨格の部品同士をつなぐためのインターフェースについても考えてみます。というのが、中に機構を仕込むにあたって、胴体や頭部を開けられる必要があります。一度背中をパカッと開けて、モータやコンピュータを仕込んで、蓋をしてあげる、といったことをする際に、うまく蓋を閉じないと不自然な形になります。メカバレ趣味やサイバーパンクな見た目を目指すのであれば敢えて露出するのも良いのですが、折角なので同じ知見でインターフェースを作成します。機構は結構大きいので、背中を切り取る形になります。

 頭部と胴体それぞれあるのですが、まずは胴体から考えていきます。基本的な概念としては、うまくはめ込んでやることでぐらつきを抑えることがメインになります。ただ置くだけではなく、凹凸ではめ込む必要があります。これについてはモデリングはせず直に取り付けたパーツもあるので写真と共に載せていきます。

 まず、背中の下部に突起を作ります。胴体を彫り込んで差し込めるようにします。金属を気合で埋め込みます!これで刺さるようになりましたが、ぐらつきを抑えるためにもう少し上方にも突起を作ります。

 ここで、凹凸ではなくインターフェースの概念を応用して、突起を背中と胴体の両方に作り、そのインターフェースとなる接続用パーツを作成します。少し見づらいですが、赤丸部分が胴体及び背中の金属部品です。

 モデル概要と仕組みを示します。オレンジの固定用器具が胴体側の金属部品にはめ込めるパーツとなっており、上が開いた凹型のパーツになっています。そこに上から背中側の金属部品をはめ込むことで、前後へのぐらつきを抑えることができます。ちなみに、ここの隙間は0.5mm~1.0mm単位で調整したパーツを印刷したのですが、その差分でぐらつきが出るので結構シビアです。隙間というよりは金属部品同士の角度が変わってしまうとはめ込むのも大変なため、慎重な作業となりました(といいつつピッタリ重なればよいので、綿密な計算はせずに胴体の下から手を入れて直接金属部品同士を押し合わせた後に粘土で固定しました)。

 これで、胴体が綺麗にできました。綺麗ですね。また、このやり方のメリットが他にもあって、固定用器具をつけない場合は敢えて簡単に取り外すことができます。内部の機構をバージョンアップさせる場合などに背中と干渉しないか確かめるなどの用途で、より簡単に背中の部品を外せることが活きてきます。

 同様の流れで頭部も作ります。こちらは結構シンプルですが、頭部は前後25°程度傾くので、少し固定をしっかりしつつ重力方向とはまた別のはめ込み方が必要になります。頭部は上から差し込む形ではなく、後頭部を前後にスライドさせる形式をとりました。背中と同様のパーツを頭部の切断面に平行になるよう二つ配置することで、後頭部をはめ込みます。後頭部と顔面部で凹凸にするのも悩んだのですが、片方が凸部になってしまうことが制約になる可能性や保管のしづらさを考えて、結局凸部は作らず固定用器具が張り出すような形になりました。そう考えると、仕方ないとはいえ背中は金属棒が出っ張っているんですよね…表面を合わせる必要はありますが、これで頭部もくっつきました。

以上です。