人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

就業以降の雑記

労働者になったので労働をしています。

 

労働が始まる直前まで家で粘土をこねる生活をしていたところからその時間の多くが労働に置き換わりました。日々の時間は短くなりましたが、時間があるのをいいことにただ漫然と手を動かしていた気もするので時間のなさに焦りつつ終業後に手を動かしていく、というのはある意味でよい生活かもしれないですね。

金銭的な面でも、以前は半年と少し異常労働生活をしていた分の貯金を切り崩していましたが、今は安定した収入のおかげで本でジェンガをしたり3Dプリンタが増殖したり、少しずつ余裕が出てきました。

3Dプリンタは以前中古で2万円のものを所持していたのですが、サイズ的にも精度的にも大きな問題がありました。そこで5万円のものに変えたところ想定していたものがおおむね出力できるようになり満足しています。自動で高さを調節する機能や土台になるプレートを温める機能(とても便利)などがついています。あとはソフトウェアの機能ですが印刷設定で造形物を支えるサポートの設定や印刷速度の細かい条件設定などの工夫で割と綺麗に出力できるようになりました。目的の一つだったサーボブラケットなどロボットの機構関連のパーツを出すには十分な精度が出せます。

というわけで、フリーのサイトから人形の顔を出力して粘土を張り付ける作業をしてみました。正直なところ価値観の変化があり、ある程度の技術は自動化されうる段階に来ているという実感が目の前の造形物によって表面化しました。私は人形制作において大まかな造形が苦手で、図面を引いても発泡スチロールを削ったり粘土をまく段階で結構ずれが生じてしまうことが大きな課題で、その後の造形で「想定した造形」にもっていくのに時間がかかっていました。そもそも人間の造形への理解が足りていないというのもありますが…(逆に一度「正解の造形」を見たら自分が作っているものとの差異に気づけた面はあるので、立体での正解と自分の作成したものを比較するとよいですね)

それが原型をプリンタで出力できるようになったことで、一度モデリングができれば0.5~1mm程度の厚みを調整する細かい造形に注力できるのでかなり進歩があった出来事になりました。粘土を貼ってジェッソ塗って油絵の具で塗装…まで述べ12時間程度で割と良い顔ができました。

ただ、アイデア的にやりたかったことは今まで少しずつ消化しており、さらに技術的な課題も解決しつつあることで、自分がやりたいことが何か迷っている、というのが正直なところです。現在は数年前からの目標でもあったモータでの駆動を目指して数十年ぶりにBlenderを触っていますが、最終的には自分で人体のモデリングもできないといけないのでしばらく粘土を触らずパソコンを触る期間にしてもよいかもしれないです。ちなみにモータでの駆動自体は依然やったことがありますが、サーボブラケットを無理やり粘土で固定していたり、造形に納得のいかないまま動作方面の概念実証を実証したり、甘い部分がありました。因みに人の顔の位置を検出してそちらを向きます。

youtu.be

 

しばらくパソコンをカタカタしつつ美しいものを作れたらとは思いますが、コンクールとかそういうのを目指すのは今の人生ではやらなくてもよいかなという気持ちになっています。自分にとって美しいものを作りたい動機でクオリティを上げるのであれば人に見られる機会は欲しいですが、自分の欲求と世間の欲求が一致するのも稀で、そこの説得をしたいわけでもないなと思いました。これは大学院で研究に対して思っていたこととも同じですね。被らないように、新しいものをという努力自体はやっていきたいですが、世間に対して示すというよりは自分が作りたい欲求を満たすためなので、それ自体は必須ではないのかなと。それどころか完成したものよりも作るプロセス、より詳細には下地塗装を重ねながら筆の跡が残らないように気を付けたり、粘土をこねて表面を整えたりしている時の没入して時が過ぎていくこと、であったり、その存在に考えるといった人形の存在の周辺のことをしている時が楽しいので、何ができてもうれしいのかもしれません。

それはそうと私はほかの人が自分の作りたかったイメージを実現させていたら悔しいよりも自分で作らなくてよくなった安心感の方が強いです。世界に存在してくれてありがとう…と思うだけなので。そうでないパターンは”手元に”存在してほしい場合ですね。生身の人間の恋人とかは自分との関係性で立ち現れる概念なので世界に人が存在しているだけでは実現不可能、みたいなことですね。

あと命名がへたくそで俺から生まれたから俺太郎みたいな名づけをしがちですが、人形が生まれた時点で実存決定太郎であるのは何となく違和感があるというか被造物であることをまざまざと見せつけられてつらいので、善くあってほしいみたいな将来的な願望を込めて善子のような名づけができたらなと思います。

 

話は変わりますが、ライチ光クラブを読みました。恣意的に情報を操作して内容を伝えると、人工知能ロボットが感情を手に入れて活躍する作品で、美しさの概念をインプットするのは難しいとか、関係性によって成立する概念とか結構Human-Robot Interaction分野に触れた人間としても面白いと思う内容でした。全然関係ないんですが、BLはいいぞ。全然関係ないんですが。

 

無生物が動いたり動かなかったりすると…嬉しい!

 

最近読んだ本の話とか

数か月間長めの文章を書いていなくて、その間に私用PCが変わったり労働を始めたりしたので、リハビリも兼ねて書いています。

最近読んだ本

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

Amazonで本を漁っていたらタイトルがよかったのでジャケ買いしました。

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて | 熊代 亨 |本 | 通販 | Amazon

 

昭和は古き良き時代…である裏で暴力や秩序のなさといった問題もあったけど、一方で現代は秩序や治安が求められすぎて窮屈になっている、といった趣旨の本です。内容は概要・精神医療・健康・子育て・清潔さ・アーキテクチャとコミュニケーション・資本主義・個人主義・社会契約といった内容でした。

個人的には興味のあった部分に対して、いくつかの点で新しい視点を与えてくれる本だったように感じます。

まず、精神医療について、近現代では昔精神病と呼ばれていた病気や障害について、積極的に医療の枠組みで捉え改善しようとする試みが行われています。しかし、これは社会生活を行う基準を満たさない人に対して治療をして社会の枠組みの中に戻すことを求めており、社会における価値に依存していることを指摘しています。

次に、健康についても、フィクションにおける喫煙シーンがされるなど社会一般に健康的であることをよいとする価値観が根付いており、そうではない存在が消されつつあるといったことについて述べられています。

また、子育てについては社会生活において求められる秩序のレベルの向上や核家族化の進行により子育てのハードルが上がっていることが述べられています。また、子育てを投資と同じようにリスクと得られるリターンといった基準で考えざるを得ない状況が発生しているといったことも指摘されていました。これについては私は反出生における存在への苦痛や所得の問題があるのかなと考えています(次に読んだ本に関連します)。

コミュニケーションについては、分人化(人の性格は所属するコミュニティや相手によって見せる面が異なり、それの総体として個人が存在する)や選択的にコミュニケーション対象を決定するSNSのプラットフォームの構造から、互いに相手にとって都合の良い自分のみを見せるディスコミュニケーションについて指摘されています。地縁から離れることでかかわらざるを得ないコミュニケーションを排除すると、選択したいコミュニケーションの身を選択できますが、そこで相手に魅せられるアイデンティティが存在しない人間は社会から排除されてしまう構造がありますが、もっと相手のすべてを見て殴り合うコミュニケーションをしたいですね。

他にも詳細に書いていないトピックがたくさんありますが、総じて面白い内容でした。一応記載しておくと、著者はこういった秩序の不自由さを否定しているのではなく、昔より”良くなった”ことで代償として不自由さが発生していることについての視点を与えています。私も同意しますし、良くないことや社会の価値観から外れることの許容といった観点は常に頭の隅に置いておきたいですね。

あとは芥川龍之介のことばが引用されていて、それがとても良いと思いました。

最も賢い処世術は社会的因襲を軽蔑しながら、しかも社会的因襲と矛盾せぬ生活をすることである

芥川龍之介の作品では『河童』が好きで、河童に誘われて河童の世界に迷い込んだ男…の発言を精神病棟で記録したもの、といった内容なのですが、独特な世界観としてメスの河童がオスの河童を追いかけ演奏を禁止するための検閲が存在し、解雇された職工は食肉にされてしまったり、割と風刺的な要素を含みます。その中でも生まれる前の腹の中にいる河童が親に生まれたいかと聞かれて、「遺伝病への懸念から生まれたくない!」といって死んでいくシーンは印象的で、反出生における存在しえた主体の存在/非存在についての自己決定権とか、社会的な良さへの疑問といった点で面白いと感じました。この作品は単なる風刺作品ではなく著者の苦しみとかも垣間見える作品なのでその点だけで語るのはフェアではないですが、それも含めて社会に対するメッセージがあるのではないかと思います。

最近読んでないのであまりきちんと言及できませんが、澁澤龍彦の『快楽主義の哲学』などもこういった議論を、かなり前の年代の時点で行っていたので、また読み返そうかなと思います。

ポストヒューマンスタディーズへの招待

前々からTwitterで言及されていて気になったので読みました。

ポストヒューマン・スタディーズへの招待 | 竹﨑 一真, 山本 敦久, 杉山 文野, 岡田 桂, 渡部 麻衣子, 標葉 靖子, 隠岐 さや香, 久保 友香, 関根 麻里恵, 田中 東子, 重田 園江, 山本 由美子, 門林 岳史, 竹﨑 一真, 山本 敦久 |本 | 通販 | Amazon

ポストヒューマンというとサイバーパンクやロボットの発展した社会で人間をやめるぞーッッ!!といった内容を思い浮かべそうですが、フェミニズムが中心的な話題になっています(大きめの書店で探すと社会学の中のフェミニズムコーナーに配置されていることが多いように感じます)。というのも、そもそも「人間」とは西洋近代の理想的な姿に与えられてきたものであり、そこでの近代の理想たる人間は白人/男性/ヘテロセクシュアルを体現される者たちであるといった視点があります。そこで、近代の被抑圧的な女性性や新体制を複数かつ複線的な物語として語りなおそうとしてきた試みた行われてきた背景があるらしいです。

内容としては、トランスジェンダー・アスリートと性別二元論、フェムテック、女の子たちのメタモルフォーゼ、生殖技術、〈ポスト〉の思想といったトピックについて、シンポジウムの内容をもとに11章で構成されています。

個人的に最も興味のあった人間ラブドール製造所について、メイクや装飾・箱詰めされる体験を通じてラブドールになるといったサービスで男性の方もある程度利用されているようなのですが、これはもっといろんな人が経験すると面白いのではないかと思いました。というのも、社会としても個人としても女性性は特に外見について他者から評価される・眼差される経験を多くしているように感じますが、そういったどのようにみられるかについて、考える機会はそうではない人にとって貴重だからです(個人的には必要のない場面において他者から評価されない方がうれしいですが…)。他者は一方的に消費する存在ではなく、自分もそうである、といった関係性について考える機会はあると嬉しいのではないかと思います。もちろん、シンデレラテクノロジーとして自分が美を纏うことや変身することについて、といった点でも面白いサービスだと思いました。また、それがルッキズムにつながる懸念についても考えていく必要があるとは認識しています。

他にも、生殖については不妊治療における母体への負担の大きさや、優生学についての議論がされていました。この辺りは経験がないので詳しくないですが、経験がある人だけが知っている分野でありほかの人は全く知らない分野であるといった指摘はされており、その点でも読んでおく必要がある内容ではないかと思いました。直接聞けるような周囲の環境があるとよいのかもしれませんが、そういった環境はなかなか実現できなさそうなので…また、優生学について考えると、やはり良さが内面化された社会について思いをはせることになりますね、そこから逃げるべきかは断言できませんが、常に疑問を投げかける姿勢は失ってはいけないと思います。

読んだ感想として、おそらくSNS上でみかけるラディカルなフェミニストとは異なり問題を提起し、中立的な形でその対象となる存在すべての観点から包括的に改善を試みている印象を受けました。

現代思想 反出生主義を考える

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積み続けた本を読みました。フォントサイズと2段組みが苦手でしたが、意外と読みやすい内容でした。

反出生主義といえばベネターが提唱したものとして有名ですが、ここではベネターの理論自体は議論の中で紹介されるのみで、その周辺の批判や養護といった議論が中心的な話題になっています。

印象的だったこととして、ベネターの貢献として反出生の考えを分析哲学の俎上に載せたことが挙げられます。反出生主義について巷で流行っている中で、踏み込んだ議論がされることは少ないですが、これは単に勉強していないというよりは現実における主体的経験としての苦しみがベースとなっていて、全体的な議論に立ち入る必要がないといった風に見えます。分析哲学は知的な論理ゲームとしての側面を持ち、現実の苦しみについて立ち入らない議論に終始してしまう懸念がある、といった側面を理解しておくのはかなり重要なのではないかと思います。そのため、より現実に即し、かつ個人の主体的経験に基づいた考え方が重要なのではないかと思います。

補足をすると、ベネター自身の批判に対する養護の特集を見るとわかるのですが、首長の範囲は意外と狭いです。例えば、生まれた後の存在の苦しみについては別の議論として語っていて、あくまで存在/非存在が存在する前の段階においての議論を中心としています。また、その対象は「苦痛を経験する主体」に限られており、それなりに議論の枠組みはきれいなように見えます。逆にベネターの枠組みに則ると批判が難しくなってしまうといった問題はありますが。想定される批判はすでにされている場合もあり、それに対する養護によってより明確に主張が形作られるといったこともあるので、こんな批判ができるのではないかと気になったら読んでみてもよいかと思います。

ベネターの主張はぱっと見だとかなりラディカルに思えますが、この本はそれを支持するというより周辺的な議論を扱うもので、その中で反出生主義に対する策を考えることで現実を生きる力を与えるといった目的があるのではないか、と感じ取れる部分もありました。反出生の議論でしばしば語られるペシミストシオランや、ショウペンハウエルの『自殺について』では、とても後ろ向きなことが書かれていて、そこに温かい闇みたいなものを感じますが、そういったことも含めて、敢えてマイナスに見えることについて語ることで解像度を高め、生き延びるための活力を得るといった生き方は、幸福に生きられない存在にとってのスタンダードになりうるのではないかと思います。

気になった点として、出生を肯定する主張では未来に対する責任や全体主義的な考えが提唱されていて、これについてはやはり個人によって同意できるか変わりそうだと思いました。個人の意見に大きく依存する部分を公理として置く必要がある部分が議論の中にあり、そういった点で、反出生/出生についても任意の議論と同じくただ体系を構築する学問ではなくその主張を通すための戦いがあるように見えました。

 

人形の話

話は大きく変わりますが、本を読みながら反出生と人形について考えたりしていました。

個人的な話として、最初に読んだ本との関連もあり、やはり苦痛を経験する他者を主体させるのはリスクの観点から恐ろしいと感じてしまいます(このリスクの観点で捉えることの是非を考える必要もあります)。

これはすでに存在している主体についても同じなのですが、他者に何かを求めるのは一定の暴力性があります。暴力性というとそれを行うべきではないように思えますが、これはコミュニケーションの能力や運によって発生を抑えられるものなので、それが適切に行えている、あるいは関知しない人にとっては問題ないものだと思います。

そのうえで、他者に対する暴力性を気にする人が何かを求める先として、意識を経験しない主体こと人形は一つの救いを与えうる形式なのではないかと考えた、というのが私の考えのすべてです。意識を経験する主体に他者に良さを求めることが難しい主体にとって、自分がそれを体現するか、意識を経験しない主体にそれを求める、といった方法は現在の社会で受容されるかわかりませんが、ただ実践されている方はいますし、それを自身が許容できれば救いになりうると思います。無生物と結婚されたり、パートナーをあくまで同じ方向をまなざす他者としてその方向に美を置いたり、といった形式について考えを広げていくことは有意義だと感じています。

この考えについて、恐らくピンとこない方もいると思いますが、実際にこれを思う人は私の観測範囲でもいるようで、人には人の経験や考えがあることは意識しておく必要があります。その点では、知的な論理ゲームとして話を展開せず現実の苦しみに常に寄り添うことは気を付けていきたいですね。勿論、意識を経験する主体を生み出すことで得られる可能性のあるリターンは損得勘定で捉えられない創発的な喜びを含む上に損得勘定を前提とした考え方自体万人に受け入れられるものでもないので、そういった方面での人生の楽しみ方もできそうであればやっていきたいですね。

 

 

 

 

遊戯王マスターデュエルを始めました

ランクマッチでプラチナTier1に到達しました.俺たちの満足はこれからだ!

そもそも遊戯王とは

遊戯王高橋和希原作の漫画で,主人公の武藤遊戯が古のパズルを完成させたことで昔のエジプトのファラオの人格が目覚め,彼の記憶を取り戻す物語です.今ではカードゲームで有名な作品ですが,最初の頃はカードゲーム以外のゲームが多く,お好み焼きの板で火薬入りの試験管でホッケーをしたり靴の中にサソリを入れて手を突っ込むゲームなどをして敗北した相手の精神を破壊していました.

その中で出てきたカードゲームが人気になって,実際に販売されて今に至ります.今でこそ魅力的でMADもたくさん作られているキャラの海馬も当時は世界に数枚しかないカードを手に入れるために汚いことをしたり主人公の祖父が持っているそのカードを破り捨てたり,デュエルに負けたら自殺すると言って100pダメージを受けるごとに一歩後退りするプレイングなどを行なっていました.

時代は流れ現代ですが,紙でプレイするだけではなく公式からPC・スマホアプリ・Switchでできるオンラインゲームが公開されたことで全世界の人と対戦できるようになりました(非公式でプレイできるシステムも一応ありました).

ゲームの特徴としてはターン制のゲームでモンスターで戦いながら相手のライフポイントを削るといったもので,いわゆるマナコストの概念が無く手札・フィールド・墓地の枚数によるアドバンテージが大きい部分を占めます.僕はデュエル・マスターズくらいしかルールを知りませんが,速攻・コントロールなどの区別がなくテンポではない点は結構違うのではないでしょうか.また,これによって1ターン目から使えるカードをフルで使え,初手で使えない制限を設けられたカードもほとんど無いため,先攻をとって相手を制圧することが推奨されています.例えば先攻だと手札が5枚ありますが,ターンが終わった時には手札が4枚くらい残っているのに盤面に相手を妨害するカードが3枚並んでいたりします.後攻の人は手札が6枚から始まりますが,3枚は妨害されるので残りの3枚でそれらを乗り越える必要があります.

また,1ターンが非常に長く10分くらい待つこともあり,このおかげでソリティアと呼ばれています.相手ターンに発動できるカードもありますが基本的には一人回しをするため壁打ちを見ることになるので苦行です.これを避けるために公式から「相手ターンに手札から発動できる誘発カード」が刷られ,これによって先攻を取られてもなんとか妨害ができるようになりました.それらのカードは高額で,そのイラストから「ゴキブリ」「幼女」と呼ばれていて最悪です.

また,オンラインゲームだと番外戦術が難しいことが特徴として挙げられます.紙では便所ワンキル/窃盗カウンターや4重スリーブ戦法などカードゲーム以外の戦法がいくつかあります.便所ワンキルは時間制限の設けられた大会において時間切れ直前まで便所に引きこもる先方で,窃盗カウンターは便所に引きこもった相手のカードを盗むことでデッキ枚数のレギュレーションを満たさない状態にすることです.4重スリーブはカードの束を分厚くすることでシャッフルを困難にし,相手のミスで束が崩れた時に「中身を確認するためにズルをした」とジャッジに報告する戦法です.しかしオンラインではこういったことは難しく,遅延行為などは一定時間所定の操作をしないと降参扱いになるなど,遊戯王プレイヤーの賢さを考慮したシステムになっています.また,バトルを行うと勝つと100p,負けると50pの報酬が得られるフェスが先日開催されましたが,ここでは1回勝つより2回負けた方が報酬を得るスピードが速いという理由で速攻自爆デッキが流行り,運営が勝った時の報酬を500pにするなどの応酬がありました.これはオンラインだと大きな問題では無いですが,昔同じようなシステムで先着順で報酬がもらえる大会が行われた時にはわざと降参して周回するため真面目にプレイしていた人が報酬を受け取れない事件などがありました(デュエル・マスターズでは似たシステムで行われた大会でも真面目に戦った上で速攻デッキで周回していたらしいので,違いを感じますね)

ちなみに番外戦術自体は原作や派生漫画でもたくさん行われていて,相手の心を読む,ビルの上にいる兄弟が相手の手札を見て伝える,リストバンドにカードを仕込む,相手のキーカードを海に投げ捨てる,実体化した神で攻撃してデュエルをせずに突破するなど色々ありました.本来デュエルに勝っていたはずの城之内くんも実体化した神の攻撃に耐えられず死んでしましました.

 

マスターデュエルの話

召喚シャドールでTier1に到達しました.少しだけドラグマも混ざっています.一時期天威デッキを使っていたのですが伸び悩んだ為,結局ランクマッチには対応力のあるシャドールを採用しました.以下がデッキレシピです.

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割と一般的な召喚シャドールですが,少し解説をします.

シャドールについて

シャドールは相手にEXデッキから特殊召喚されたモンスターがいるとデッキ融合ができる魔法カードとリバース・墓地に送られたときにそれぞれ別の効果を発動するメインデッキのモンスター,シャドールモンスター+各属性で融合する制圧や墓地肥やし効果を持った融合モンスターで構成されたテーマです.特にエルシャドール・ミドラーシュはお互いに一ターンに一度しかモンスターを特殊召喚できなくなるので,先攻でこれを立てることでリンク召喚・エクシーズ召喚辺りのいくつかのシステムを機能停止させることができます.後攻になった場合でも上述の融合を使うことで手札消費を抑えながらデッキから墓地に落としたモンスターの効果でアドバンテージを稼いで展開できます.

基本的にはミドラーシュで蓋をするか融合で返すテーマで,相手のアド稼ぎを防ぎつつ自分は1枚ずつ丁寧に稼いでいくテーマなので,一気に返されないようマストカウンターを見極める能力が必要です.その為,神の宣告やツインツイスターも1枚ずつ採用しています.後述する他のテーマについても,主にマストカウンターを止めるための妨害札を1枚増やす役割で採用されています.

枚数については,バックをわれるドラゴン,ドローで妨害札や更なる初動を引き込めるビースト,融合が来ない時の保険としてのヘッジホッグは2枚採用しています.エリアルは後で書きますが,アプカローネを出しやすくするためにウェンディとともに1枚ずつ採用しています.

召喚師について

出張テーマとして頻繁に採用されるテーマで,メインモンスターのアレイスターと各属性で融合する融合モンスターたちで構成されています.特に強いのがメルカバーで,1ターンに一度モンスター・魔法・罠の発動に対して同じ種類のカードを手札から捨てることで無効にしてそのカードを除外できます.これが手札消費1枚+召喚権で立ち,サーチカードもあるため初動5〜6枚で動けます.6属性+αの融合モンスターがいますが,基本的にはメルカバーと融合モンスターを素材にするアウゴエイデスのみが使用されて,運が良ければ相手のカードを吸えます.

また,相性としてシャドールが召喚権を使わずに融合できる点や墓地に落としたモンスターを融合素材に使える点から相性が良い上,同じ融合テーマでシャドール融合モンスターの融合のためにアレイスターでサーチした融合カードを使用できる為,初動を増やしてくれる働きもします.

ドラグマについて

正直最近のカードなので理解して無いですが,出張として使用されるのがエクレシア(ご飯をたくさん食べるタイプと設定画に描かれたことで有名なカード)とバニッシュメント,フルドリリスです.エクレシアは妨害効果を持った2種類のカードをサーチできる為,妨害を1つ増やす働きをします.また,光属性なのでシャドールにおいてアド稼ぎのために真っ先に立てたいミドラーシュの素材になります.また,バニッシュメントはEXデッキからモンスターを出せなくなるデメリットがあり当初はこれが大きいと思っていましたが,基本的には自分が動けなくなるよりも相手が動けなくなる方が後々のアドバンテージに影響してくるので,採用した方が嬉しい場面が多いと感じています.特にシャドールは相手によっては1枚で展開できるような初動が少ないので,丁寧にアドバンテージを稼ぐ意識が重要です.(その点では相手の対面に合わせてマストカウンターを見極めつつ雑なプレイングをしないスキルは求められます(これは任意のデッキに当てはまります)).また,バニッシュメントはデメリットの代わりにアプカローネをEXデッキから直接落として,間接的に墓地・デッキのシャドールの効果を使うことができるため更にアドを稼げます.ヌトスを落として2面除去みたいな運用もありますが流石に枠がカツカツでした.

その他のポイント

まず,手札誘発はGとうららは採用しています.稼げるアドの量のボトルネックがターン1制限より手札の枚数となるシャドールにとって,手札が増えることはとにかく重要で,最悪1:1交換でも打てると嬉しいなと思います.また,素材にできるようシェキナーガを入れることで腐る場面を減らしています.うららも同様に,制圧盤面を組まれるとかなり辛いので,妨害はあった方が良いです.更に,PSYフレームは個人的にかなり重要で,先攻を取られた場合にG→うらら→γの流れで相手が回す確率を減らすことができます(墓穴が来たら泣きましょう).更にネフィリムの素材になり,特に腐る通常モンスターの方を墓地に落として置けるのはでかいです.最初のターン以外はあまり使う場面がないので,基本的に素材になります.余るのでルークの素材で除外しても問題ないです.

次に,壊獣としてジズキエルを入れて相手の札を一枚潰せるようにしています.正直3枚程度妨害があるとこれ一枚では返せない時も多く諦めていますが,光属性だとネフィリムの弾になり腐りづらい点で入れやすいと感じています.攻撃力も低くミドラーシュの素材になるラディアンも採用候補でしたが,相手に投げた場合のリスクを考えた時にどうせネフィリムなら両方突破できるし闇属性はシャドール自体で割と稼げているので良いかなという判断をしました.かなり光属性の割合が多いデッキになっているので飽和してる感は否めません.

アノマリリスは刺さる対面が少ないですが,アプカローネを出したくない場面でエリアルを落とせる点で優秀でした.エリアルはとても優秀で,墓地に落とすとカードを3枚除外できます.これによって,死んだアレイスターを除外しつつ墓地の召喚魔術を起動,閃戦姫の魔法カードを枯らす,エルドリッチを除外するなど環境で役立つ場面も多く,2枚入れても良いくらいの働きをしてくれます.

超融合は吸える相手が地属性・光属性・融合・水属性・闇属性とある程度カバーできていますが,アド管理的に手札消費が厳しいデッキなので1枚だけにしています.ミラーでこれを引くとただ相手の盤面が壊滅するので最高です.

終わりに

みんなもルールとマナーを守って楽しくデュエル!

 

 

 

 

 

研究の振り返り

はじめに

大学院でやることが大体終わったので,研究室配属からの振り返りでもして成仏させておきます.まとめると,辛い部分が多かったけど学びが多かったです.

研究室配属〜B4

興味のある分野の研究室に配属されました.今思えば研究のことを何も分かっていませんでしたが,多分最善の選択だったと思います.ただ,二つの観点から研究室の選択が最善だったのは運の良さで,結局選ぶのは難しいと思いました.

  • 興味分野が固まっていないこと:研究室配属時点で研究ができるほどに興味が固まっていることは稀で,とりあえず与えられたテーマを進めたり学んでいく中で知る,ということが多いように思います.
  • 研究か勉強か:研究の目的は大雑把には新しいことの発見で,既にあるものを深めること自体には意味がないので,その点に気づいていたかは重要だと思います(教育や分野の発展など,勉強にも意味はあると思います).なので研究したいことと勉強したいことが別と言った場合にどうするか困るなと思いました.例えばMachine Learningのアルゴリズムについては勉強したいだけで研究でやりたいかといえば否で,それがどのように人間理解・コミュニケーションに適用されるのかをやりたいと思っていました(実際はそれらについても知りたいだけ,というか新規性ではなく俺たちの積み上げた知見で作った最強のロボットが見たかっただけなので,これは企業でやるものですね).

ここら辺から読むのが疲れると思うので,一応閲覧注意にしておきます.個人的な振り返りなんて読んでも楽しくないですからね.

それはそうと,卒業論文の執筆を兼ねた研究インターンで京都に行きました.僕は研究の方法について一通り経験を経たM2でいくべきではないかと相談しましたが,B4で行くべきだとのことでB4で行きました.これは僕にとって大きな学びとなりましたが,人生的にはかなり最悪でした.

まず,良かった点として分野をリードする研究者がどのように研究を行うか,そのプロセスを自分が行う過程で知ることができた点があります.そしてとてもハードな経験でした.僕は勤務先の近くに部屋を借りることができたので,終電の概念を気にする必要がなくひたすら研究のことを考えることができました.また,課題解決の為にひたすら考える・手を動かすことも学びました.その過程で,その後の大学院での生活・研究に役立つような知見が得られたと思っています.これらの点について今でもとても感謝しています.

次に,良くなかった点として働きすぎたことがあります.まず,実験場所と勤務先が別で,6時に起きて片道2時間近くかけて実験場所に向かい,2~8時間実験を行い,その後は相談をしたりして夜になったら帰る生活が60日くらいありました.最悪な日は23時に帰宅して次の日の7時に家を出ていたので,睡眠時間があまりない日もありました.また,絶対に遅刻できない為睡眠が浅かったこともあり,考えすぎで夜中3時に目が覚めて実験仮説はこれで良いのか…!?と夢の中の延長でひたすら悩んで泣く日などがありました.結局実験場所にいた日と勤務先にいた日が同じくらいだったので,単純に仕事の観点から勤務場所が後から知らされたことは良くないと思いますね.これは事前に知っておけば良かったのですが,僕は睡眠時間が足りないとあまり思考ができず「この検証方法は妥当なのか?」一つの問いが浮かんだときにその問いが意味を持たないただの言葉として頭を通り過ぎる感覚になることがわかりました.慢性的に睡眠があまりできない状況に置かれるとよくないのですが,卒業のために避けられませんでした.特に,私は作業をしていなかったわけではないのですが実験設定の検討に時間がかかったこともあり,卒論発表前日まで実験を行っていました.しかし,この実験は規定の労働日を超過する必要があるのですが,これを断ると僕は実験ができず卒業できなくなってしまうので,体力の続く限り働く必要がありました.当時は余裕がなく,本気で「倒れて留年するか生きて卒業するか」と考えていたのを今でも覚えています.

そして,予想通りというかB4時点でこのような経験をさせていただいたことは裏目に出ました.大学院生であれば研究室によっては指導教員や先輩から教育を受けることもありますが,僕が研究をさせていただいた場所ではそのようなことはありませんでした.これについては僕の確認ミスもありましたが,とにかく研究の仕方がわかりませんでした.例えば,論文は「序論」「関連研究」「提案」「実験」といった構成からなり,実験は仮説を立てるが,被験者内/間の実験計画があるみたいなことを知らず,それを知らないまま「このシステムはどのように検証するべきか?(仮説はどう立てるか?)」と言った質問をされて,フレームワークもないまま悩むといったことがありました.何かしらの自動的に計測される指標で数値的に測る,アンケートで数を比較する,など色々あると思いますが,それらを知らないために「アンケートはどうですか?」と提案することはできないのですね.また,慣例を知らないためにどの程度正しそうかを知ることができず,聞いても自分がどう思うかを重視されました.今振り返ると,正直天下り的に進めた方が良い部分が多いのではないかと思います.僕は慣例を知らない状態でこのような手法ではどうか?と聞いても,カンが掴めていないので的外れなことを言ってしまい,それは明らかに違うのではないか,みたいなやりとりを無限回繰り返し,僕は発言をすることが無駄だと学習しました,良くないですね.また,プロジェクトや今までの研究の流れがあって存在するテーマのはずなのに,あまりそれらの背景について教えてもらうことができませんでした.これについては僕がもっとしつこく質問するべきでした.これらのポイントは,僕が事前に知識を持った上でもっと主体的に取り組むことができれば問題なかったのかもしれません.また,個人的な短所として新しい課題に取り組む際の要領があまり良くないので,OJT形式はとにかく苦手でした.また,困った時は指導教員などに早めに相談した方がよかったですね(知らない土地に一人,でそう言った発想に至らなかったのは良くなかったですね).

M1

B4のテーマが論文を出せていなかったので,それを進めつつ新しいテーマを探すことになりました.半年ほど無理をしていた関係でだいぶ自律神経が壊れていたのと,丁度実家に戻った瞬間に初めての緊急事態宣言が出て自宅から出られなくなってしまったことで,これからの半年くらいは精神状態があまり良くなかったと思います.研究についても,あまりうまくやれなかったことや同期が既に学会に論文を出してAcceptされていた負い目もあり,大変な状態でした.向こうにいた際に自分が何かを提案して,的外れであることを指摘されるのを何回も経験したので,自分から何かを提案するのが怖かったです.論文執筆はそのような感じで進み,そしてオンラインに慣れていないことやミーティングで詳細な話ばかりしてしまい全体の進捗管理などもうまくできず,といった感じで本当に要領が悪く,申し訳ない気持ちが募りました.このままでは死んでしまうのではないかと思っていました,今は生きています.

新しいテーマに関して,先輩方と相談したり一年間考えていたことについて話しました.最初の一年で自分からテーマを提案し議論する経験をしてこなかったので研鑽されておらず,これらは基本的に却下されましたが,学びはありました(一貫して,僕のやりたいことは研究でやることではない・心理学っぽい・人形を作りたいであることが明確になったのは良いことでした).というわけで,テーマについては指導教員と相談して決める感じになり,テーマが二転三転して…となりましたが,ある程度与えられたテーマで調べていくうちに興味を持って取り組むことはできたと思います.修士で取り組んだテーマについては,結果はともかくポジティブな気持ちが強いです.

学部で取り組んだテーマはなんとか論文になり,本当に共著者の方々には頭が上がらず,国際会議に通りました.しばらくして発表に向けた準備を始めますが,この時点で僕の能力や精神状態に限界があることを察していたのか,発表をするか他の人に任せるか質問されました.勿論就活などの関係もあり単にそれらの理由だった可能性もあります(ここは完全にやめ時でしたが,断る理由を明確に述べられませんでした).

結論から言うと,発表できませんでした.本当に申し訳ないことをしてしまいましたが,割と直前で僕がまともな発表資料を用意できず,発表練習で本当に良くない空気になってしまったので,やめましょうということになりました.資料については前々から述べている通り自分で提案する気力は無くなってしまい,細かい修正を繰り返す内に時間を失い,練習する時間が取れませんでした.また,英語の会話能力に問題があるので事前にそれを伝えていたのですが,なまじ他のインターンのこと会話ができているように見えたために問題だと認識されていませんでした(日本語で言いたいことを英語で表現できるスキルがない為,時間を埋める為にベストではない英語表現を多用する,といったことがありました).成功経験がなく指摘を繰り返される,というのを1年半以上繰り返したので,この時点で精神は限界でした.2回目の休養すべきポイントでした.ちなみに発表はオンラインで僕はずっと眺めながら負い目を感じていました.国際会議に通った経験は完全に自分の中では良いものではなく,周りからその事情を知らずに何か言われることに対しても負い目を感じました.

ここら辺で読む方も疲れると思うので一応述べますが,今は比較的これらにとらわれずやりたいことを頑張っています.人形を作っています.これから就職してソフトウェアエンジニアになります.激しい喜びはいらないですが,その代わり深い絶望もない,植物の心のような人生を送っていきたいですね,淡々と.

M2

反動で,しばらくお休みしていました.といっても休学ではなく,研究テーマについてはゆっくり検討しつつやりたいことをやっていました.勿論やりたいことをやる体力はないので寝たりぼうっとゲームをする時間が多かったです,外にもあまり出られないですしね.色々あってここから年末くらいまでだんだんと回復して元気でした.研究テーマについては議論する中で最後に7月に変更することになり結構時間がなくなりました.そこから仮説立てて実験設定決めて…とやっていましたが,とにかく仮説が厄介で,いくらでも仮説の立てようがありどれを実験するかで悩みました.(また,完全に愚痴ですがベースとなる社会心理学の概念が曖昧で実証方法についての指摘も多く,こちらの分野の研究ですらその概念を曖昧に引用していて本当か?となり,瓦礫の上に云々…と思いました.ただ,これに関してはただ非難するだけではなく瓦礫を固める一員とならなければいけないのかなと思います.とても重要な知見を与えてくれるし,全てが怪しいわけではないと思うので,真摯に向き合いたいですね).

スケジュール的には夏に実装を大方済ませて9月ごろから予備的な検討をしつつ実装を詰めて,11月から12月後半にかけて予備実験しながら仮説の検討,本実験の実施,1月は分析といった感じでだんだん追い詰められていました.本実験実施まではやるだけという感じで平穏な気持ちで淡々とやっていましたが,分析がとにかく心を乱されますね,仮説が成り立たない!の先の発見もあるので丁寧にやるところでしたし,面白い結果が出ることが全てじゃないですが,そうはいっても論文誌は面白い結果を求めるし,最終的に回覧時点で面白い結果はあまり出なかったと認識していますが,出れば終わり,出なければギリギリまで分析といった感じで結局修論の回覧前日まで分析を続けて二転三転して…といった感じで精神衛生的によろしくなかったです.今現在は結果はどうあれ収束したので落ち着いて今は割と元気です.ちょっと良くない状態が続いたのでご迷惑をかけた各位には謝らなければな…と思っています.

また,想定した結果は出ず苦労しましたが,修士で結果が出るかわからないようなテーマを扱うことができたのは良かったと考えています.研究プロジェクトや企業で何かするとなると,一定期間で成果を出すことが求められ,自然と成果を出せそうなものしかやらなくなってしまうので,勿論成果を出す努力をした上で落ち着いて検討する時間があったのは良い経験だったのかなと思います,

そして,研究室では指導教員や先輩方に色々ご指導いただいてなんとかやっていけたので,本当に頭が上がらないです.

といった感じで自分の精神がもつ範囲で真面目にはやってきましたが,結果はともかくその過程で学びはあったし,一つの分野にしがみついて時間を過ごすこと自体今まであまりやってこなかった貴重な経験でした.よかったね.

終わりに

これといって書くこともないですが,この3年間は本当に良い経験になりました.学んだことは以下の通りです.

  • 研究に関して,分野のことや分野に限らないテーマ設定・サーベイ・実験の実施・プレゼンテーションの技術などを学びました.これらは適切な環境で主体的に努力すれば少しは身につくのかなと思います.
  • 相談は早めにしたほうがよくて,何を相談すればわからない時はその旨を伝えたほうが良いです.そして,これは進捗ではなく助けを求めることも含んでいて,誰かにSOSを出さないと精神などが死にます.
  • 生活や健康は守った方が良いですね.自律神経が壊れて中々戻れなくなります.
  • 色んな環境に飛び込むことは良いですが,その環境が親切であるとは限らず,きちんと自分の実力を見積もってできそうかどうか事前に判断する必要があることを学びました.私はあまり要領がよくないので,丁寧にゆっくり学びながら生きた方が人生設計として平穏にやっていけると思いました.

生存バイアスという言葉がありますが,成功した人だけが体験記を残すのは現実を描写するには足りないと思います.逆に大きな失敗をした人だけがそれを文字に残すのも極端なので,こうして死にかけの状態を残すことにしても良いかなと思い,せっかくなのでこの文章を書きました.これからは元気にやっていけると良いですね.

 

 

独白

1

これはある一人の男による恋の物語であり,些細な喜びであり,苦しみであり,それ以外の何かではない.

2

鬱屈とした情勢に楽しみを見出せずにいた.どうやら怒られるストレスや睡眠不足というのは体調にも影響を与えるらしい.常に頭に靄がかかった状態で出社し,靄がかかっているので何を怒られているのかも分からず,フワフワと頭を動かすだけの生活をしていた.努力を積み重ねるだけの余裕はなく,即時的に喜びを得られる,買い物や食事,ゲームを退社後にするだけの生活に絶望していた.

休日の昼,無い希望を探す為に近所の雑貨街でなんと無しに散歩をしていた時,それはありきたりな出会いだった.都心から離れ比較的落ち着いた駅前,若者で賑わうアウトレットショップ,数人のおじさんが立ち読みをしているコンビニ,それほど混んでいない郵便局,地元の人は興味のなさそうなブランドもののアパレル店,それらを横目に面白いものを探して歩いていく.年配の店主がゆっくりと珈琲を入れそうな古ぼけた看板のカフェ,よくわからない名称の歯医者,蔦が絡み切った民家.そしてビルの三階にある古本屋にたどり着いた.

入り口には古ぼけた金属製のプレートに,順番に金物店,何かの事務所,古本屋の名前が刻印されていた.周りには誰が貼ったかわからない安物のシールが何枚か貼られていた.ビルへと入る階段はとても急で,転ばないよう気をつけつつ左右を見ると,地元の中学校のオーケストラの演奏の案内や,公民館のイベントの案内といったありきたりな貼り紙があった.階段を登るうちに,それらが怪しげなショーや古物商の展示会の貼り紙へと変わっていく.

そして店のドアを開けると懐かしい匂いと共に視界が大量の本に埋め尽くされる.店の真ん中を大きな棚が仕切り,人がすれ違うことのできない程度に本が並び,足元には昔のおもちゃや写真が置かれている.ビル自体それほど大きくないが,その狭さを強調するように所狭しと物が存在していた.
手前の方から早速本を眺めてみると,好みの本が見つかった.京極夏彦江戸川乱歩森博嗣なども置かれている.更に歩みを進めると,丸尾末広といった感じで,店主の趣味が色濃く出ていた.恐らく道楽でやっているのだろう,店の奥にチラッと見えた店主らしきおじさんは,案の定というかレジで珈琲を飲みながら本を読んでいた.

安心感のある空気に少しばかりワクワクしながら奥に進んでいくと,夢野久作作品が並んでいた.そういえば,友人から借りっぱなしで返していないタイトルがいくつかあった,見つかれば自分用に買っていこう.
「あ,これだ,瓶詰の地獄,丁度良いから買っていこう」
丁度欲しかったタイトルを見つけ手を伸ばした時,その声は自分の口ではなく,目の前にいる彼女の口から発せられた.

同じ本を手に取ろうとして,手が触れる.一目惚れだった.長い黒髪に黒のワンピースを着た彼女の,メゾソプラノの透き通った声が耳に響いた.
「あっ…すみません…本を探すのに夢中になってしまって,気づきませんでした!」
「いえ,こちらこそ…あなたもこの本,買おうとしてたんですか?」
「そうなんです.この店にはよく来てるんですけど,結構好きな本が多くて.それで,次に読む本を探していたんです.」
偶然というか必然というか,趣味の合う人なのかもしれない.こんな店によく来る時点で必然なのだろう,僕は嬉しくなり,今まで読んだ本の話をしようとして,止まらなくなってしまう.彼女は笑顔で相槌を打った.きっと,こんな人は他にいないだろうと思った.読んでいる人も唐突に思うだろうか,僕も心臓が高鳴っていることに気づいて驚いた.

そして,彼女をデートに誘った.

3


初めて出会った時と同じ街の同じ古本屋で女性に会い,挨拶をした.以前会った時のように本の話をし,女性もそれに相槌を打ちつつ,感想を述べた.ミステリーの考察なんて話もした.あれはノックス十戒の八番目に従っていないからどうとか,実は心理的描写だけではなく起こった出来事ですら,探偵の存在しない場面では信用できないとか,作者との信頼関係によって成り立つとか,ミステリーにまつわるとにかく色んな話をした.勿論お店の中なので店主にはそれらが聞こえていたのだろう,チラチラとこちらを見て,しまいには珈琲を置いて立ち上がり,会話に参加してしまった.

それでも店主にとって迷惑ではないらしいことが分かり,結構な時間会話をして,気づけば夕方になっていた.店主は呆れつつ商品の本を一冊取り出し,読み始めてしまった.

4

デートはずっと古本屋で行われた,と言っても,ミステリー談義をしているだけだった.
それはとても盛り上がり,一日中過ごしてしまうほどだったことに気づいたのは,閉店間際に店主が読み終えた本を棚に戻した時だった.店主に申し訳ないと謝りながら,店を出た.そして女性に告白した.自分の鬱屈とした日々に,希望が現れたこと,それが今告白をしている相手であることについて,思いを述べた.

そして,彼女は「こちらこそよろしくお願いします」と言い,その告白に応じた.

5

物語を書き終えて読み返している内に,男はたまらなく悲しい気持ちになり,同時に動悸が止まらくなってしまった.
「なんでだ,なんでいつもこうなんだ…僕は…僕は…」
頭の中をグルグルと言葉が飛び交い混乱する中,気づいたら大きな箱の中にいて,目の前には歪んだ円を描いた太い紐がブランと垂れ下がっていた.そこに引き攣った笑顔の頭を入れて,椅子を蹴り,自らの首をキュッと締めた.この一連の手順により,頭という猫箱を永遠に闇の中に閉ざした.

6


次の日の朝,女性が出勤する為に古本屋の前を通ると,何やら騒がしい様子だった.店主が珍しく慌ただしい様子で階段を駆け降りたのだろう,肩で息をしながら,携帯電話を手にして怯えていた.店主に何があったか事情を聞く必要があっただろう.
しかし,何かの勘なのか,女性の足は彼女ではなくビルの三階に向かっていた.暴いてはいけない箱の中に足を踏み入れた.

ビルへと入る階段はとても急で,女性は転ばないよう気をつけつつ三階へと駆け上った.入って直ぐのレジの前には,入れたばかりであろう珈琲が湯気を上らせていた.何かがあった場所が,手前でもレジでも無いことに気づき,恐る恐る残された場所を覗き込んだ.店の奥には自分より背の高い男のぼうっとした影がいることに気づき,ヒィと小さな悲鳴を上げた.その男が誰であったか,そして何をしていたかに気づいてしまい,大きな悲鳴をあげた.
苦痛に歪んだ頭が,胴体と四肢をぶら下げた状態で宙に浮いていた.いや,宙に浮くはずもなく,頭から天井へと一本の太い影が繋がっていた.

小説の中ではありきたりだが,実際に遭遇すると異常な光景に,腰が引けてしまった.しかし,不思議なことにその頭は安堵の表情にも見えた,大家は異常に対する異常を重ねることで正常を保とうとした.彼はその表情の理由を知る為に,部屋を物色した.
足元には,雑貨屋で買ったであろう小綺麗な装飾のされた箱に,二つの紙束が遺されていた.恐る恐るそれらを手に取ると,一つは私小説らしき数枚の原稿で,男のありきたりな苦しみと,ほんの少しの喜びの日々が描かれていた.
もう一つは「遺書」と書かれた手紙だった.死体の目の前で遺物を暴いてしまうことの重大さなど忘れ,読み進めてしまった.それはまるで,目の前に浮かんでいる頭がそのまま喋りかけているようだった.

「どうか,僕の気持ちを暴かないでください.しかし,自分のほんの少しの誠実さなのか,あるいは悪戯心なのか,この文章を残さずにはいられませんでした.自分の気持ちを,どうか知ってほしいのです.あなたに暴いてほしいのです.」

女性は恐ろしくなり,箱を閉ざしてそのままゴミ箱に捨ててしまった.

情報工学科の授業は教養ですらないのに落ちこぼれて申し訳ないという話

3年前にこの記事が少し話題になっていたので,少し振り返ってみようかなと思います.

情報(工学)科の授業は教養ですらないという話 – 慶應義塾大学編 | KCS::Computer Society

この投稿で,以下の不満が述べられています.一応文章のつながりを理解する為に全部読むと参考になるかと思います.

  • 講義1つ1つが軽く、深いレベルの理解につながるような手を動かす課題を出す講義が非常に少ない
  • カリキュラム全体に統一感が無く、情報科学の中でも通信に偏っている
  • 同期に情報技術に取り組んできた人がとても少ない

これらの不満(指摘)については同意した上で,読者によって賛否が分かれるのではないかと思います.僕は個々の問題はあれど全体としては情報工学科に進んで良かったと思っています.

TL;DR

  • 慶應義塾大学情報工学科の講義は分野のインデックスを知る程度のものである.
  • それほど意識が高くない人には丁度良いレベルかもしれない.
  • プログラミング専門学校ではない.

自分について

高校時代は情報科学・工学についての知識はなく,どちらかといえばSNS利用における問題など技術の利用方法に関する活動を行なっていました.初めてプログラムを書いたのは学部2年生の情報工学科に進学した後の講義で,C言語の単位を落としました.

あまり真面目な人間ではないので,学問の理解に励むことをせずボウっと過ごしていました.

慶應義塾大学情報工学科の講義は分野のインデックスを知る程度のものである.

学問を修める上で最低限やった方が良いこととして,分野のインデックスを知ることがあると考えています.得られた知識それ自体は何十年も潰しが効くわけではなく,分野の流行り廃りもあります.その為,基本的な知識をつけておいて,深く学ぶ際にそれらを元にすることで効率的に学習を行える準備をする,くらいの話です.知の高速道路を脳内に再生産するわけです.

深く学ぶことができないことは日本の大学の講義という性質もあるかと思います.真面目な学生は多いですが意識の高い学生は意外と少なく,前提知識を高くすることができません.また,学部の講義である程度深いレベルまで理解させるには,ついてくる学生を一定数確保しなければいけません.初歩的なC言語の講義で単位を落とすような人間がいる程度なので,難しいことができないのかもしれません.僕は学部2年生時点では結構苦労していて,3年生になって分野全体を見渡せるようになってから少しずつ追いついてきた感じがします*1

 

その上で,やはりカリキュラムや講義の内容がおざなりになっているとは思います.基本的な講義の感想については先に紹介した記事に同意します.そう言うと全てに同意すると思われるので,代表的なものを引用します.

また、講義を受けるための必修科目(prerequisites)、という概念がなくどの講義も事前知識を仮定されてないためか、例えばフーリエ変換OSI参照モデルを別々の講義で複数回やり、カリキュラムの構成に違和感がありました。

ネットワーク工学の講義を3,4回受け,その全てでパケットの話を聞きました.

 

 

そんな感じで,カリキュラムの構成が微妙と言う話はあります.これについて,情報工学科進学直後だと理解することができません.

 

研究機関なので文句を言うな

それほど意識が高くない人には丁度良いレベルかもしれない.

遅くなりましたが,言葉の定義を最低限しておきます.「意識が高い人」は自主的に学習を行う人間として,特に大学進学前からその分野に興味を持ち自学している人とします.「真面目な人」は与えられたものを吸収する為に勉強に励むことができる人で,元々その分野に詳しくなくとも最終的に知識を体得できる人とします.

こう考えたときに,前者の人からすると前提知識もなく深く勉強するわけでもない情報工学科の講義に不満を覚えるのはとても納得できます.大学の進学に限らず何かを勧める媒体は基本的に良いことしか述べませんが,こういったマッチングの失敗について特に言及しないのは大学側の問題かと思います.

しかし,元々知識のない真面目な人にとってはある程度インデックスが揃っているのでまぁ悪くないと思います.(というのは嘘で,指摘の通り詳しくない教員が担当する分野があったり分野によって学習できるタイミングが異なったり,割と悪いですね.)

多分,追いつくのが精一杯の落ちこぼれの人間に合わせた講義なんだろうと解釈しています.ここらへんは特に異論が多い気がするので叩かれポイントです.

突然ですが,少し前の経験の話をします.この前学科分け説明会で学部1年生と高校3年生が数十人きてそれぞれと軽くお話をしました.僕は人工知能機械学習インタラクティブエージェント)に関する研究室に所属しているので,情報工学についての話に加えて人工知能について少し質問をしました.回答として,人工知能についてはイメージすら湧いていない,情報分野についてもインデックスは貼られておらず,プログラミングやりたい!くらいのイメージの人もいました.すでにプログラミングについて知識がある人はほぼいませんでした.別にこれに関してネガティブな感想はないですが,情報工学科に進んだ後に周りに知識のある人間が全然いないというのは感覚的に正しいらしいです.

プログラミング専門学校ではない.

Abstract: Yes.

一応学習の過程でプログラミングを行う必要がある場面はありますが,プログラミングを教えてくれる場面は少ないです.ここ最近Pythonの演習が登場したらしいですが,今まではCとJavaの講義のみでした.それについてもプログラミングの学習(特にアプリケーションの作成を目指したもの)ではなく,前者は計算機の仕組みの理解を前提としたポインタや配列などの初歩的な説明,Javaソフトウェア工学の理解を建前としたものだった気がします.その他は自分で勉強してねという感じで,プログラミングの能力の習得は自分でやる必要がありそうです.

因みに学部4年生で研究室に進んだ後はプログラムを自作する場面が割とあります.機械学習の学習プログラムを書いたり,対人実験用インタフェースを作成したり,ネットワークの諸々を弄ったり,やることは無限に出てきます,しかし,それほどプログラミングの能力が高くない状態で研究室に入る人は結構います.僕もギリギリそちら側に分類されると思います.

ただ,そこで求められる知識は人によっても異なるしそれこそ無限に深くなるので,そういう面でも講義に求めすぎず自分で勉強する必要があると思います.真面目な人には物足りず,不真面目な人には負担が大きいですが,まぁ僕に合ったより良いものがないので妥協するくらいの意識の低さが僕にあるので,納得しています.

まとめ

TL;DRに同じ.

 

 

 

*1:本当に申し訳ない…

リングフィットアドベンチャーを始めました!

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クリアしました.

 

購入した動機

ダイエットを何回か試したものの三週間くらいで飽きてやめてしまう,というのが続いていたので探していたところ,ゲーム形式で運動ができる!というのと,気づけば人類全員やっているので購入しました.以前アプリで30秒トレーニングとか試したことがありますが,その際辛いと休みがちになってしまうのが分かっていたので,ゲーム中毒を利用しようと思った訳ですね.

購入

Amazonで14時にSwitchとリングフィットアドベンチャーを注文したら次の日の11時に届き,そのまま流れるように開始したので思い立ってから24時間で筋肉痛になりました.

リングフィットアドベンチャーの簡単な説明

購入した方は既に知っていると思いますが,傾きを検知できるセンサ(取り外しできるSwitchのコントローラ)を専用のリングと太ももにつけて,普通に筋トレをやりまくります.やることは基本的に二つ,1.ステージを足踏みでランニングして進む,2.敵が現れたらフィットバトルで倒す,それだけです.

フィットバトルはRPGにようにターン制で進み,攻撃する際は筋トレメニューを使用します.「スクワット:攻撃力20,待機ターン1」といった感じでいろんなメニューがあり,ステージが進むにつれて攻撃力の高いメニューが手に入ります.ただ,普通に筋トレをするので辛いです.これで街の人を助けながらドラゴという敵を追っていきます.主人公の相棒のリングとドラゴは完全にデキているので,そういう意味でも楽しいです.

よかったこと

なんだかんだで2ヶ月近く継続していて,2日に1回はやっています.これだけ継続できた要因として,やはりゲーム形式でできたというのが大きいと思います.

ダイエットが続かない要因として短期的な報酬が存在しないことが大きいと思っていて,効果が出始めるのは1,2ヶ月経ってからにもかかわらず,それまで効果を実感することができず苦しい運動をする必要があります.それに対して,リングフィットアドベンチャーでは,運動することで敵を倒しレベルアップしたり,それで得たお金を使ってウェアを購入したりできます.要するに,すぐに何かを得られる嬉しさがあります.

また,やらないと進まないというのもモチベーションの維持につながります.ただ動画が流れるだけだと疲れたらサボってしまえばそのまま終了しますが,ゲームではセンサがリングや脚の動きをモニタリングしているため,きちんと回数をこなす必要があります.正直いきなりスクワット30回と言われるとやる気が失せますが,敵を倒す必要があるから仕方ないな…となります.

これはSwitch自体の利点ですが,敵を攻撃するたびにリングが振動して攻撃が当たったことがわかる,お腹にリングを押し込み続けるとブルブル震えて力を込めていることがわかるといったように,視覚だけではなく触覚でもフィードバックを得られます.これは単純に没入感を向上させることにつながり,やっていて楽しいです.

他にもミニゲームがあったりバフアイテムでダメージを増加させて効率よく敵を倒したり,任天堂の拘りを感じる要素も色々あり,「楽しく運動ができている」と感じます.

RTAを見た

youtu.be

これです.RTA in Japanではワールド1というチュートリアルコースをクリアするタイムを競うもので17:00ぴったりの記録を出して実況解説,視聴者とともにとても盛り上がっていましたが,RTAを走っていたえぬわたさんは全ステージをクリアするRTAも走っていて,28時間くらい不眠不休で走っていたらしいです(ネタバレ踏むのが怖くて最後までまだ見てないですが…).

人類全員やっているとはいえど周りの人のプレイの仕方はあまり知らなかった中で,2週間くらい経ったところでこういった特にしっかり運動されている方のことを知りました.そこでは,「空気砲を打ち続けることで経験値が稼げる」「レベルを上げると後半楽になる」などいろんな情報があり,なるほど…!と思いました.流石に数10時間ぶっ続けでやる体力がある人間ではないですが,早くクリアすることを目指して頑張ろう!というのがモチベーションになり,一層頑張ることになりました.

自分でやってみるとわかりますが,高速でスクワットしつつ空気砲を1秒間に4,5回打ち込む姿は結構滑稽ですが経験値が入るので効率が良いです.

現在

お腹の肉は元が多いだけにまだそれほど変わっていませんが,少し引き締まった気がします.内臓脂肪は最後に落ちるらしいので,少なくともそれまで継続してやっていきたいなと思います.筋肉は結構ついた気がしていて,体幹が重要な体を傾けるヨガやプランクがある程度安定してできる様になりました.あとリングコンをアホみたいに押し込み続けたおかげで大胸筋と上腕二頭筋は少し盛り上がり筋肉ルーレットがほんの少しできる様になりました.

メニューとして,RTAを参考にDPS(Damage per second)の高いバンザイコシフリやアームツイストを多用していますが,横っ腹に効くロシアンツイストが3000回を越えたりいい感じに太ももに効いて代謝が上がりそうな椅子のポーズが1000回を越えたり,実績解除を続けています.辛い系統のメニューの回数が伸びないのでその辺りの称号が全然取れないですね…

なんやかんやあってクリアしました(ネタバレを避けるために詳細は言及しません).一応2週目以降もあって敵は強くなっているらしいので,クリアしていないミッションを潰しつつ,早くクリアする焦りのない中でちゃんと筋肉を痛めつけることを意識して続けていけたらなと思います.(やっぱりクリアみたいな目標があると少し焦ってしまい効率の良いスキルばかり使ってしまいますね…)

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これは少し前の時点での記録ですが,現在バンザイコシフリは10000回を越え,クリア時のリングコン押し込み回数は75000回になりました.こうやって毎日そして累計の記録が残るのは達成感があって良いですね.

終わりに

Victory!