人間のあるべき姿の探索

思索・人形・エンジニアリング

2023-01-01から1年間の記事一覧

「システム設計のセオリーと実践方法がしっかりわかる教科書」を読みました。

初めに 久しぶりの書評です。こちらの本を読みました。 gihyo.jp ここ最近、業務や趣味で何かしらのシステムの設計及び実装を行う機会が増えてきたのですが、そこでの課題感として、あるシステムを完成させるためのスコープを明確化する為に、何を設計する必…

失恋の話

「話し言葉」はフランス語で「パロール」、「書かれたもの」は「エクリチュール」と言います。パロール/エクリチュールという対立です。 古代から、書かれたものよりも実際に聞いた話の方が真理の基準である、とする考え方があります。 千葉雅也『現代思想…

生活が無くなりつつ

2020年4月以降、人間から人間らしさが抜け落ちていくのを感じています。自分が以前は若者だったからそう感じており社会に組み込まれるとそれは人間ではなく資本主義の一要因として十分に説明できるほど簡略化されている可能性もありますが、動物として生きて…

感想を自動で受け入れるだけの機械になるわよ!

INTERNET YA・ME・RO! インターネットの発展と共に人々は情報のやり取りをより活発に行うようになり、より密なネットワーク構造を持つようになりました。昔であれば近隣の人々や文通、そして数少ない中央集権的なメディアとしてのテレビが存在していたのみ…

Azure OpenAI Serviceでリアルタイムな会話を実現するためのアーキテクチャ

課題 ここ最近言語生成AIが盛り上がっており、様々なアプリケーションの登場が期待されます。しかし、Azure OpenAI Serviceをはじめとしたサービスはインターネット上で処理が実行され、特に長文を生成する場合にはレスポンスが返ってくるまでに何秒かかかる…

球体関節人形の型抜き用の型を3Dプリンターで印刷する

背景 球体関節人形を作り始めて暫く経過しましたが、今まで造形のベースとして発泡スチロールを使用していました。しかし、発泡スチロールで削る段階で5~7mm程度の粘土を盛った状態の造形を考慮して発泡スチロールを的確に削ることが苦手で、胴体が部厚すぎ…

Azure OpenAI Serviceのリージョン間での応答速度を比較する

概要 Japan East、East USの2つのリージョンでAzure OpenAI Serviceの応答速度を比較 リージョン間の違いに加え、1文でのレスポンス及びストリーミングでの長文レスポンスの2x2の4パターンを検証 結果、East USリージョンではレスポンス時間がJapan Eastリー…

Azure OpenAI ServiceのFunction Callingでロボットを操作してみた。

デモ 人と会話しながら、左を見て!正面を見て!というと、Function Callingでトリガーしてロボットがその方向を向く関数を実行します。 youtu.be 背景 先月、Azure OpenAI ServiceでもFunction Callingがサポートされ、言語生成による応用の可能性が更に広…

イベントソーシングを用いた結果整合性による在庫管理の実装

はじめに ここ十数年、顧客向けサービスが大量のリクエストを扱う必要が出てきました。例えば、Amazonのような通販サービスは24時間稼働し、常に大量の注文が行われます。ライブの予約サービスであれば、予約開始時点で大量の予約が殺到し、在庫の引き当てを…

親密性の実践に向けた考察

ここ数年、特に対人関係における親密性について考えています。以前もレオ・ベルサーニの『親密性』を例にとりながら少し考えていて、久々に現代思想2021年9月号(<恋愛>の現在)を手に取ったので、改めてまとまりもなく考えていたことを記述し直してみようと…

Osedax

「シミですね」 診察室で、私と旧知の仲でもある精神科医は私にそう告げた。 「あの、はぁ、シミ。私は最近物覚えが悪いと思い君の所に来たんだが、シミに何の関係があるんだろうか」 彼は戸惑ったような表情で、何かを言おうとしてはああでもないこうでもな…

医療漫画に感化されて手術をしてきた

皆さんは『K2』をご存じですか? K2(漫画) (けーつー)とは【ピクシブ百科事典】 医療漫画『スーパードクターK』の続編であり、前作の主人公・KAZUYAに代わり、もう一人のKの一族の末裔である神代一人(かみしろ・かずと)と、KAZUYAのクローンである黒須一也…

観測者が想像する主体の存在しない意識

強さとは何でしょうか。グラップラー刃牙では強さとは、という命題について様々な議論がされていますが、強さの最小単位は我が儘を通す力とされています。グラップラー刃牙に限らず、闘争の中に見られる一般的な強さはその相手に抗うことによって発生する概…

『現場で役立つシステム設計の原則』を読みました

はじめに 現場で役立つシステム設計の原則を知りたいと思っていたのですが、丁度現場で役立つシステム設計の原則について言及されている書籍があったので読みました。 gihyo.jp ある程度知名度のある書籍で、QiitaやZenn等でまとめられている方がいらっしゃ…

道端に咲いた花の名前さえ知らない

知識・教養というものがなく、一般の人が持つ生活における教養についてはテンでダメでしたのでした。郊外を歩いていると見かける草花や鳥の名前が分からないのです。 思い返してみれば、小さい頃は知識欲を駆り立てるようなテレビ番組を見ていたこともあり、…

AZ104に合格しました

Microsoft Azureの開発者向け知識を問われるAZ204に引き続き、運用・管理者向けの知識を中心に問われるAZ104の合格しました。 AZ204については以下の記事に記載しています。 godiva-frappuccino.hatenablog.com 勉強法とかいろいろと書こうと思ったのですが…

Azure仮想ネットワークのサブネット間通信の許可及び拒否を変更する

初めに ここ最近はAZ104というAzure管理者向けの資格の勉強をしているのですが、その中でAzureで使用できる仮想ネットワークの設定についての項目が1/4程度と大きな割合を占めており、実際にAzureでは顧客のネットワーク関連の可用性や機密性といったセキュ…

GoFのデザインパターン全部書く

はじめに GWなのでGoFのデザインパターン23種をすべて書きます。巷ではJavaソースコードを用いた書籍はいくらかあるのですが、他の言語だと時折有志の方がブログにまとめていますが全部書いてあることは少なく、また実際に自分で書かないと使えそうなタイミ…

角度・位置の計算における値オブジェクトのすゝめ

はじめに ロボットの姿勢やUnityオブジェクトを扱う時、その数値の種類は様々です。例えば、長さをメートルで扱うか、センチメートルで扱うか。角度については度数法で表現したりラジアンで表すこともあります。しかし、こういった数値を扱う際、結構ありが…

Unityでグローバル座標系からローカル座標系への変換を実装する

背景 人が人形になって動くことができるシステムを作っています。イメージとしては、下図のように人間がVRのヘッドマウントディスプレイを被ると、それに応じて人形の内部に仕込んだモータが稼働し、同じ姿勢を取るように動作します。また、今回は割愛します…

Dev ContainerとDependency Injectionを活用してロボット開発をする

コンテナ技術について学ぶために本を買いました。Azureを用いたコンテナアプリケーション開発についての書籍なのですが、最初にDev ContainerというVS Codeの拡張機能をもちいた開発方法について記載があり、面白かったので紹介します。 gihyo.jp VS CodeのD…

寿司と精神分析

はじめに -玉子焼きはなぜ海苔に巻かれるのか- 寿司と言われたときにどのようなネタを思い浮かべるでしょうか。サーモン、ネギトロ、穴子、様々なネタが存在します。そしてその多くはシャリの上に乗せられ、時には海苔に巻かれて寿司として扱われます。海外…

分類の構造を考える

人間の三大欲求の一つに世界を言葉によって分割したい欲求があると思うので、考えていました。 しかし、分類学というと生物の分類に関するものばかりで、任意の学問に共通する構造が中々見つけられなかったのですが、結論から述べると、その構造化にはそれほ…

AZ204に合格しました

表題の通りです。AZ204は正式名称がAZ-204: Developing Solutions for Microsoft Azureと言い、Azureを用いた開発についての知識について特に重点的に問われるものです。Azureの試験は入門のAZ900に続き、AZ204か主に管理者向けの知識を問われるAZ104を受け…

恋愛について精神分析と共に考える

暴力とは異なった仕方で、ナルシシズムを肥大させるのではない仕方で、他者とむすびつきたくないですか? 現実的な話をするともう結構良い年なので恋愛や結婚を考えた方が良い年になりつつあります。間違った帰納法による定式化を信じて来年はまだ大丈夫…と…

人形になることについての省察

最近人形作家さんのお話を聞いて、人形を作るときにコンセプトが先行しているのか、それとも作り始めるのか…みたいなことを考えていました。結論から言うと単純にかわいいものを作りたい欲求で作るものについては生まれた子を見て感想を言うだけで、今チャレ…

ロボットのプログラムにレイヤードアーキテクチャを採用してみる

TL;DR アーキテクチャに沿って記述することである程度書きやすくなる ロボットのプログラムという性質による限界を許容する必要がある DI・依存を気にかけてコーディングする場合にPythonはかなりしんどい 動機 以前からロボットを作っているのですが、実装…

人形に憑依しつつ…

肉体から解放されたいので自分以外の意識のない肉体に入り込んでいこうと思います。VRでアバターになるのも良さそうなんですが、現実空間で肉体を持って早数十年ということで現実空間への期待があり、まだあきらめるのは早いかなと思っています。 ということ…

PICO4でヘッドセットの姿勢を取得してロボットを動かす

Demo youtu.be 前書き 以前から人形を動かしており、Androidから加速度センサの値を元に姿勢をトレースするアプリケーションを作っていたのですが、せっかくなのでHMDで作ることにしました。HMDを持っていなかったので試しにPICO4を買ってみたのですが、前評…

雑記、作り手と受け手の非対称性について、人形作り等

以前、コンテンツに対する飽きみたいなテーマで人と話すことがありました。大雑把にまとめると、「若いうちから大量のコンテンツを摂取しすぎて、新しいコンテンツが生まれても既存のコンテンツとの類似性を感じてしまう」といったものでした。オタクは任意…